生まれた、生まれた。今日も生まれた。

男の子が1人生まれた。
東京で。
今日、いったい何人の男の子が生まれたんだろうか?世界中で。


清潔な病院で、最新の設備の中生まれる子。
モクモクしたスモーキーマウンテンのゴミの中生まれる子。
南の島で凪いだ波音に包まれて生まれる子。
広大なたわわに実った小麦畑の収穫に祝われて生まれる子。
イラクレバノン、アフガン、戦火の下に生まれる子。
五体不満足で生まれる子。


どの命が、もっとも輝いているんだろうか?
どの命が、もっとも価値ある命なんだろうか?


どの命も、同じだよ、とは言わない。
生まれた落ちた瞬間に背負う宿命もある。
もっと、もっと前から決定されていることだってある。
邪悪に満ちた命もあるかもしれない。
とんでもなく潔白な命もあるだろう。

ただ、みんなにいえることは、生まれ落ちた環境の中で、その身体で、
神様に配られた手札の中で、何とかやっていかなければならない。それだけのことだ。
みんなが幸せになれるわけでは無いだろう。


でも、たぶんみんなその可能性は持っている。筈だ。せめてそれくらいは信じたい。
みんな、そう感じることが出来るはずだ。
そう思えばいいだけの事だからね。